今回はこんな説を持ってきました。『スローアウェイドリル最強説』
加工能率を大きく向上させてくれるスローアウェイドリルを是非チェックしてみましょう。
ドリルと言えば画像のようなストレートドリルやテーパードリルなんかが一般的です。
これは刃物が本体と一体化しているソリッドと呼ばれるタイプです。
対してスローアウェイドリルは刃先交換式ドリルのことを指し、工具の先端にチップを取り付けて刃物を作るドリルです。
旋盤で使うスローアウェイバイトのドリルバージョンですね。
バイトやチップの意味や内容については下の記事よりご覧ください。
・ランニングコストが安い
一度スローアウェイドリルを買ってしまえばチップ交換だけで済みますので再研磨費用や新規ドリル購入費用が削減されます。
・加工能率(切削条件)があがる
まずスローアウェイドリルの場合は位置決めのセンター穴が不要です。
もみつけの時間と工具スペースを除去することができます。
また加工時間もソリッドドリルと比較して切削条件(主軸の回転数)をあげたりステップをなくすことが可能なので速くなります。
・穴底がフラット気味になる
スローアウェイドリルの形状から穴の底が平らになります。
その為止まり穴のタップの下穴で利用したときに余裕を持った加工が可能になります。
例えば深さ30のワークに有効タップ深さ22の加工をしようと思ったときにソリッドドリルで下穴をあけると貫通してしまいます。
その点スローアウェイドリルであれば底面を平らにできるのでタップの有効深さを稼ぐことができ貫通せずに加工が可能です。
ソリッドドリルの場合もみつけ→ドリル先端深さ27→タップの有効深さ19
スローアウェイドリルの場合もみつけなし→ドリル先端深さ27→タップの有効深さ23
(一例ですのでドリル、タップの規格により変わります)
・加工径の調整が可能(旋盤)
スローアウェイドリルの場合はそのドリル形状からX軸にプラス目に加工することにより加工径を大きくすることが可能です。
ただし許容範囲は大きくはないのできちんとカタログを参照してください。
例:Φ30H7交差の内径仕上げをする為、仕上げ代を片肉0.2残し(Φ29.6)にしたい場合
Φ29スローアウェイドリルでX0.より-Z方向に加工→測定すると加工径Φ29
↓
スローアウェイドリルのX補正値に0.6を入力→X0.より同様に加工→測定すると加工径Φ29.6
といった調整が可能です。
(一例ですのでドリル、被削材、機械により変わります)
・イニシャルコストが高い
これはランニングコストの安いツールにはほぼ必ず当てはまってしまいますがソリッドドリルと比較するとかなり高価になります。
その為、しっかりと検討した上で購入する必要はあります。
・加工径精度がよくはない
ソリッドドリルと比較するとどうしても一発で狙い寸法を出すのは難しいです。
理由としてはドリル、チップともに製品精度がそこまで高くない為です。
なのでチップ交換時には寸法が変わってしまったりします。
しかし製品の特性上スローアウェイドリルで仕上げを想定することはほぼないのでそこまで気にはなりません。
私はとあるスウェーデンの会社のスローアウェイドリルしか持っていないので他社との比較ができないのが残念ですが機会があれば切削条件の比較テスト等もしてみようと思います。
最後に商品の紹介だけしておきます。
加工能率を大きく向上させてくれるスローアウェイドリルを是非チェックしてみましょう。
スローアウェイドリルとは
ドリルと言えば画像のようなストレートドリルやテーパードリルなんかが一般的です。
これは刃物が本体と一体化しているソリッドと呼ばれるタイプです。
対してスローアウェイドリルは刃先交換式ドリルのことを指し、工具の先端にチップを取り付けて刃物を作るドリルです。
旋盤で使うスローアウェイバイトのドリルバージョンですね。
バイトやチップの意味や内容については下の記事よりご覧ください。
スローアウェイドリルのメリットとデメリット
メリット
なぜスローアウェイドリルが最強なのか…メリットをいくつか紹介します。・ランニングコストが安い
一度スローアウェイドリルを買ってしまえばチップ交換だけで済みますので再研磨費用や新規ドリル購入費用が削減されます。
・加工能率(切削条件)があがる
まずスローアウェイドリルの場合は位置決めのセンター穴が不要です。
もみつけの時間と工具スペースを除去することができます。
また加工時間もソリッドドリルと比較して切削条件(主軸の回転数)をあげたりステップをなくすことが可能なので速くなります。
・穴底がフラット気味になる
スローアウェイドリルの形状から穴の底が平らになります。
その為止まり穴のタップの下穴で利用したときに余裕を持った加工が可能になります。
例えば深さ30のワークに有効タップ深さ22の加工をしようと思ったときにソリッドドリルで下穴をあけると貫通してしまいます。
その点スローアウェイドリルであれば底面を平らにできるのでタップの有効深さを稼ぐことができ貫通せずに加工が可能です。
ソリッドドリルの場合もみつけ→ドリル先端深さ27→タップの有効深さ19
スローアウェイドリルの場合もみつけなし→ドリル先端深さ27→タップの有効深さ23
(一例ですのでドリル、タップの規格により変わります)
・加工径の調整が可能(旋盤)
スローアウェイドリルの場合はそのドリル形状からX軸にプラス目に加工することにより加工径を大きくすることが可能です。
ただし許容範囲は大きくはないのできちんとカタログを参照してください。
例:Φ30H7交差の内径仕上げをする為、仕上げ代を片肉0.2残し(Φ29.6)にしたい場合
Φ29スローアウェイドリルでX0.より-Z方向に加工→測定すると加工径Φ29
↓
スローアウェイドリルのX補正値に0.6を入力→X0.より同様に加工→測定すると加工径Φ29.6
といった調整が可能です。
(一例ですのでドリル、被削材、機械により変わります)
デメリット
一方でもちろんデメリットもあるので紹介します。・イニシャルコストが高い
これはランニングコストの安いツールにはほぼ必ず当てはまってしまいますがソリッドドリルと比較するとかなり高価になります。
その為、しっかりと検討した上で購入する必要はあります。
・加工径精度がよくはない
ソリッドドリルと比較するとどうしても一発で狙い寸法を出すのは難しいです。
理由としてはドリル、チップともに製品精度がそこまで高くない為です。
なのでチップ交換時には寸法が変わってしまったりします。
しかし製品の特性上スローアウェイドリルで仕上げを想定することはほぼないのでそこまで気にはなりません。
まとめ
少しクセがありますが自社の加工には大きく貢献してくれています。私はとあるスウェーデンの会社のスローアウェイドリルしか持っていないので他社との比較ができないのが残念ですが機会があれば切削条件の比較テスト等もしてみようと思います。
最後に商品の紹介だけしておきます。
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