ステンレス鋼について~特徴・用途・種類~

町工場

身の回りにはたくさんのステンレス鋼が使用されています。

様々な金属の中からなぜステンレス鋼を使っているのかと疑問に思う方もいらっしゃることでしょう。今回はそんなステンレス鋼の基本的な特徴や用途、種類についてまとめております。

鉄と鋼(スチール)の違い鉄=Fe小中学校で習ってなんとなく覚えている人も多いのではないでしょうか。じゃあ鋼の元素記号は?とお思いの方もいるでしょう。水兵リーベ僕の船でフル暗記してる方も鋼の元素記号は知りません。だって、元素じゃないんですから!残念!鉄=Feは元素記号です。つまり鉄とは元素です。元素(げんそ、羅: elementum、英: element)は、古代から中世においては、万物(物質)の根源をなす不可欠な究極的要素を指しており、現代では、「原子」が《物質を構成する具体的要素》を指すのに対し「元素」は《性質を包...
鉄と鋼(スチール)とステンレスの違いを分かりやすく解説します! - 元サラリーマンの町工場奮闘記
鉄とステンレスの違いについてはこちらの記事からどうぞ。

 


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ステンレス鋼の特徴

①ステンレス鋼の特徴:錆びにくい

ステンレス鋼の特徴で最も有名なのは「錆びにくい」金属であるということでしょう。
ステンレス鋼は英語で「Stainless Steel」、直訳すると「錆びない鋼」という意味になります。

クロムと呼ばれる元素を含んでいる為に実際に他の金属よりも錆びにくくなっています。

錆びにくい金属は「耐食性」が高いと表現されます。

②ステンレス鋼の特徴:熱に強い

身近にある金属のひとつであるアルミニウムは約700度で溶け始めます。
一方ステンレスは約1300度まで溶けません。

融点が高いということもステンレス鋼の特徴と言えます。

熱に強い金属は「耐熱性」が高いと表現されます。

③ステンレス鋼の特徴:丈夫であること

強度のバランスがいいと言う方が正しいかもしれません。
上記の「耐食性」「耐熱性」以外にも「加工性」「強度」「硬度」を適度に兼ね備えているので重宝される金属になっています。

例えば一般的な炭素鋼はステンレス鋼よりも熱に強く約1500度まで溶け出しませんがとても錆びやすい為に使用用途が限られてしまいます。

④ステンレス鋼の特徴:磁石がつかない(ものが多い)

これはよく言われるステンレス鋼の特徴のひとつですが、一般的なステンレス鋼は磁石がくっつかない(磁力がない)ことで有名です。

ただし全てのステンレス鋼がそうではなく磁力があるステンレスの種類も実は存在します。

基本的には日常生活で目に触れるステンレス鋼(SUS304というステンレス鋼の種類です)は磁力がないので磁石がくっつかないというイメージが浸透しているのです。
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ステンレス鋼の用途

①ステンレス鋼の用途:土木・建築

「耐食性」や「強度」を活かして建築物の屋根や外装に使用されたり道路や橋、トンネルなどのインフラ整備に利用されています。

②ステンレス鋼の用途:家庭用品

ステンレス鋼の能力のバランスのよさを活かしてキッチン周辺の設備や部品、調理家電などに使われています。

③ステンレス鋼の用途:産業用機器・精密機器

「耐食性」「耐熱性」「加工性」などの特徴を活かしてプラントや高炉、また精密な携帯電話や時計などの部品にも使用されています。

用途によってステンレス鋼の種類を使い分けている上記は一例ですが様々なステンレス鋼の用途があることが分かります。

また、どこにステンレス鋼を使用するかによってステンレス鋼の種類を実は使い分けているのです。
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ステンレス鋼の種類



実はステンレス鋼には特に「耐食性」に特化したステンレスや特に「耐熱性」に特化したステンレスなど、種類分けされています。

細かく分類すると200種類以上に分かれるそうです。

かなりマニアックな内容になるので当記事では細かな分類は記載しませんがステンレス鋼は一種類じゃないよということです。

①ステンレスの種類:マルテンサイト系ステンレス鋼

この種類のステンレス鋼は磁石にくっつきます。
他のステンレスに比べて焼き入れ性が良い為、「強度」「硬度」を要求される部品などによく利用されます。

②ステンレスの種類:フェライト系ステンレス鋼

フェライト系と呼ばれるステンレス鋼はよくキッチン周りや電化製品の部品に使用されています。
適度な「耐食性」と「耐熱性」と「強度」を兼ね備えているバランスのいいステンレス鋼です。

③ステンレスの種類:オーステナイト系ステンレス鋼

私(ほとんどの人)が最も目にする機会の多い種類のステンレス鋼です。
磁石にくっつかないタイプのやつです。

特に「耐食性」に優れておりステンレスのイメージ通り錆びにくいので加工屋さんも重宝している材料です。

焼き入れによる硬化性がないので「硬度」を求められるケースではあまり使用しません。
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まとめ

今回は身近な金属のひとつであるスレンレス鋼について紹介しました。
ステンレス鋼だけで200種類以上あるってちょっと驚きですよね。

私は全ての特性を覚えていつかステンレスマスターになってやろうと思っています。

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