面取りとは
面取りなんて言葉聞いたことない。
いやいや面取りぐらい誰でも知ってるよ。
いろんな声があるかもしれません。
面取りとはあらゆるモノに対して角が立たないように施されている加工のことを言います。
少しわかりにくいですが簡単に言うと辺や角の鋭利な部分をちょこっと削って滑らかにしてやろうぜってことです。
例えば今皆さんが使っているパソコンやスマートフォンも四隅や辺の部分が持っても手が痛くならないように丸みを帯びていますよね?
これも面取りです。
このように身の回りの様々なモノに施されていますが意識したことがあまりない加工こそが面取りなのです。
面取りの重要性
金属加工での面取りとは、加工前・加工中に発生したバリを取り除くことが主目的です(もちろん例外もあります)
金属加工に関して言うと面取りとは必須とも言える加工です。
理由はいくつかありますが大まかに分けると
・バリをなくすことで怪我や事故の発生を防ぐ(バリが出ていると触っただけで怪我します)
・品物に次の加工を施すときに適切に品物を固定するため
・出来上がった商品を正しく寸法測定するため
・見栄え
などが挙げられます。
なお面取りは加工中に同時に行ったり加工後にヤスリやグラインダーで手作業したりと商品や状態によって様々です。
このように金属加工では面取りは大変重要な加工であり、場合によっては専用の工具や機械が必要になるケースも多々あります。
現状の金属加工業者の悩みはこれほどまでに重要な「面取り」の加工を仕入れ先からは「オマケ」くらいにしか思われていないことです。
面取りして当たり前、それで追加料金とかありえない!と思っている発注者様はよくおられます。
身の回りにありふれた面取り
まず皆さんの今いる場所からいろんなものを見てみて下さい。
私の目の前にあるテーブルや本棚の縁にも辺や角を滑らかにする面取りが施されています。
皆さんの周囲にある家具や日用品などほとんどのモノも注視して見てみると無造作に面取りがなされていることが分かります。
このようにしてごく一般的に取り入れられているため、普段は全く意識しないのですが全ての商品の制作工程の中に面取り作業が取り入れられているということを是非知っていただきたいです。
ちなみに面取りには大別して「糸面取り」「C面取り」「R面取り」という種類がありますが、私の体感では日常的に触れるものには「R面取り」が施されているのが一般的です。
引用:http://www.e-fastener.jp/r-mentori.html
(オマケ)食材の面取り
料理をする方はご存じかもしれませんが食材にも面取りをする場合があります。
野菜の切り口の角を浅くそいで、丸みをもたせることで料理の見ばえがよくなり、煮くずれを防止する効果も期待できます。
大根、かぼちゃ、にんじん、里芋などを長く煮るときに行うことが多いです。
面取り技術にもっと注目してほしい
皆さんは面取りとは何か ご存じだったでしょうか。正直私は金属加工業に携わるまで面取りという言葉すら知りませんでした。
が、私自身は生まれた時から今まで無意識に面取りされた様々なモノを見ています。
是非面取りされていることを意識して身の回りのモノを見てみて下さい。
制作者の技術や想いが垣間見えるかもしれません。
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